こんぶとかつお

今後はごはんのブログになる予定です。

高校の化学を思い出したら卵焼きを失敗しない方法がわかった

卵焼きがうまく焼けなかったので、上手に焼ける方法を考えました。

失敗なく作れるようになってきたのでまとめておきます。

 

卵焼きはなぜ失敗するのか

卵焼き失敗の理由

卵焼きが失敗する理由は、私の場合は次の3点であった。

  • 焦げる
  • 巻けない
  • ぼそぼそする

 

卵焼きは卵がフライパンにくっつかないように、

油を引いたフライパンを強火かけた状態で卵を投入する。

その結果、すぐに卵が焦げてしまう。

 

焦げないように火を弱めると、今度はくっついてしまい巻けない。

 

巻くのにてこずっていると、水分が必要以上に抜け、ぼそぼそと不味い。

 

このように卵焼きは失敗していた。

卵焼きを失敗に至らしめている原因は、

  • 卵がくっつくこと
  • 卵が焦げること

この2点を同時に解消する方法がなかったからだと考えられる。

 

卵がくっつかず、焦げない方法

卵がフライパンにくっつかず、かつ、ある程度の時間をかけても焦げない方法

これを検討することが、卵焼きを失敗しない方法を導き出すこととなるだろう。

 

ただし、どんな方法をとっても良いわけではない。

卵焼きごときに、金に糸目を付けない対策はもったいないと思うからだ。

よって、次の方針に沿って、対策を検討する。

 

  • 新しく調理道具を買わない
  • 卵焼き専用の材料を使わない
  • 時間と手間がかかりすぎる方法(ひと手間10分以上)をとらない

 

除外された対策例

決定した方針に基づくと、次のような対策は効果的であったとしても除外される。

  • くっつかないフライパンの購入

www.shopjapan.co.jp

  • 卵焼き専用食品の購入

higashimaru.co.jp

  • ひたすら卵焼き修業

 

卵の性質を再確認する

卵の熱変性

卵という材料の性質を再確認することにした。

卵はタンパク質でできている。

卵白と卵黄からなり、それぞれことなる温度で固まる(熱変性)。

 

卵の凝固温度【たまごのぎょうこおんど】 - 東京の調理師学校・調理師専門学校|日本調理アカデミーで調理師免許取得によると、

卵が変性する温度は、

卵黄は65℃前後から凝固が始まり75℃以上で完全に凝固する。
卵白は60℃前後から凝固が始まり80℃以上で完全に凝固する。

とある。

 

つまり、卵焼きを焼くには80度程度の熱があれば事足りる。

「油を引いて強火」は、本来卵を焼くには過ぎたる火力であり

くっつかないためだけに行う調理工程だということが分かる。

 

対策1:強火ははじめだけ すぐに火を止める

よって、「油を引いて強火」で焼く時間は短縮することが可能である。

卵がフライパンに接する面のみくっつかないように

はじめだけ「油を引いて強火」で焼くことにする。

 

油を引いて強火にかけた場合、フライパンは100度を優に超えている。

フライパンとの接地面は、すぐに凝固するはずである。

卵の凝固に必要な時間を考慮すると、ずっと強火の調理をする必要は必ずしもない。

 

  1. 油を引いてフライパンを強火で加熱
  2. 卵を投入し、フライパンと接する面のみ固める
  3. 火を止めて(あるいは弱火にして)からゆっくり巻く
 
以上の工程をとることで、卵がくっついてしまう問題と卵が焦げて時間切れ問題は解決できそうである。

 

対策1の結果:ぼそぼそする

対策1を実践した結果、卵が巻けないという問題は解決した。

しかし、食感が悪い、ぼそぼそである問題は改善されなかった。

 

理由は、卵が加熱されるまでにかかる時間が短すぎることだと考えられる。

 

たんぱく質の構造

豚肉や鳥の胸肉など、加熱すると硬くなりやすいタンパク質は

低温からゆっくり加熱しなくてはならない。

 

これは、たんぱく質アミノ酸が鎖状につながった構造を持っており、

一気に過熱すると鎖がぎゅーっと縮まって硬くなってしまうからだ。

低温からゆっくり加熱することで、たんぱく質の鎖状の構造が緩やかに保たれたまま

タンパク質が変性する。

 

卵焼きの場合、薄いシート状に卵をのばすことになる。

その結果、いくら火を止めても卵が硬くぼそぼそしてしまうことを防止できなかった

と考えられる。

 

もっとゆっくり卵を加熱できる方法を検討しなくてはならない。

 

対策2:卵に水を少量加える

卵にゆっくり火を通すためには、すぐ火を止めるだけでは不十分であった。

しかし、卵がくっつかないためには初めに強火で加熱、という工程は外せない。

 

そこで、

  • 高温時には卵の凝固を邪魔せず、
  • 弱火の時には適度に凝固を邪魔してくれる

そんな物質を卵に混ぜることができないかと考えた。

 

都合の良い性質を持ち、味にも影響のない安い物質は、水である。

 

水の比熱

水は比熱の高い物質として知られている。

比熱とは、その物質の温度を上げるために必要なエネルギーの量のことである。

つまり、比熱が高いとは、熱しにくく冷めにくいということだ。

 

 卵に水を混ぜることで、

卵+水の卵液は、卵単体よりもゆっくり温度が上がるようになる。

 

しかも、水は100度で蒸発するので、

強火で一気に表面を焼くときには、卵の凝固を妨げない。

 

よって、対策1に改良を加えるかたちで工程を再検討できる。

  1. 卵に水を加える
  2. 油を引いてフライパンを強火で加熱
  3. 卵を投入し、フライパンと接する面のみ固める
  4. 火を止めて(あるいは弱火にして)からゆっくり巻く(以下2~4を繰り返し)

対策2の結果:見事成功

対策2を追加した卵焼きを実践したところ、

卵焼きが失敗せずに完成した。

特に料理の修業をしたわけでもなく、卵焼き用に特殊な機器を使ったわけでもない。

 

卵焼きを失敗しない方法

卵焼きを焼くときには、

卵に水を加え、強火で加熱するのは卵を投入した時だけでよい。

 

これにより、余裕をもった卵焼きづくりが可能となる。

 

備考:使用した調理道具

丸いフライパン(小):テフロン加工のもの